2008年11月29日

避難訓練と地震体験車

職場の研究所で防災避難訓練があった。

今回は初めて「お役目」を貰っての避難訓練で、ちょっと面白かった。


毎年1回この時期に定期的な避難訓練が行われているのだが、今回はどういういきさつがあったのか、うちの部署が「地震の後に発生した火災の火元」という設定になった。

避難訓練 出火元パネル
で、2日前からこんなパネルが室内に置かれることになった。ここが出火元らしい(笑)

我々の中では、地震が起きた直後にこのパネルを置かれた机の主がパニクってガス・バーナーでも倒して、火事が発生するということに決まった。この席の人は当日欠勤なんだけど、半ば欠席裁判でw


で、私は当初単に火元から逃げれば良いのかと思っていたのだが、たまたま事務の人と先輩研究員が打ち合わせしているところに通りがかったら、「あ、ちょうど良かった、Cさんになってください!」と呼び止められた。Cさん?

なんでも、避難訓練にはあらかじめシナリオが決まっていて、

1.地震発生
   ↓
2.1分後に火災発生
   ↓
3.Aさんが火災を発見、火災報知機を押す。所内の職員は警報音を聞いて避難開始。
   ↓
4.火元の近くにいたBさんが消火器を使って初期消火
   ↓
5.Cさんが駆け付けた消防班員を火災元に誘導
   ↓
6.消火栓からの放水で消防班員が消火中に、Aさん・Bさん・Cさんも避難

という段取りになっていて、私はその消防班員の誘導をする「Cさん」役ということらしい。ほほぅ、避難訓練で「お役目」を与えられるなんて初めての経験だなぁ。


でも、みんなから注目の的になっていたのは、やはり「Aさん」役の先輩。マジで火災報知機のボタンを押せる機会なんてそう無いからな。まぁ、訓練ではない現実で押さなければならない事態には直面したくないものだが。押してみたいけど押せないボタンの代表格みたいな火災報知機を実際に押せるなんて羨ましい〜と、みんなから憧れの的になっていた。本人もウキウキしていたし(笑) あらかじめ訓練の少し前に、火災報知機の信号の大元を切って、信号が消防署に行かないようにしてから押すんだそうだ。まぁそりゃそうか。


で、当日、予定通りの時刻にまず「緊急地震速報」が流れる。「緊急地震速報です。もうすぐ地震が起こります。10・・・9・・・8・・・7・・・」とカウント・ダウン。うちの研究室にはほとんど地震を知らないというインド人の留学生もいるから、まず「机の下に隠れろ!」と指示して一応みんなで避難姿勢を取る。


避難訓練 火災報知機スイッチ
すでに最初から事務方の職員さんが廊下にスタンバっていて、Aさん役の先輩に「もう初めて良いですよ」と指示。それを受けて先輩がワザとらしく「火災発見!」と宣言。「火事だ〜!」と声を上げながら、最寄りの火災報知機の前へ。

訓練とかの時にデジカメとかで写真撮っていたら不謹慎かなぁ〜と思っていたら、おそらく記録を残す必要があるのか、事務方の職員さんは堂々とデジカメで撮影開始。むしろポーズを要求しているし。私もそのどさくさにこっそり横から撮影。

「もう良いんですよね?もう押して大丈夫なんですよね?」と何度も確認しながら、Aさん先輩がいよいよ火災報知機のボタンを押した。

てっきりけたたましいベルの音が鳴り響くのかと思ったら、「火事です!火事です!」と男性の声とおとなしい警告音。あのジリリリリ・・・という爆音のベルはもう昔のものなのかな?


避難訓練 消火器で初期消火
続いて、Bさんが予定通りに消火器を持って走ってきて初期消火開始。しかし、この消火器は本物、もし本当にピンを抜いたら中の消化剤が出切るまで止まらないそうなので、振りだけで本当にはピンを抜かないでくれと言われていた。結果、形だけの記念撮影(笑)


避難訓練 消火栓
その間に、火災報知機を聞いて駆け付けてくる消防班員を、Cさんの私が階段の辺りから「火災はこっちで〜す」と誘導。

消防班員の役割の人たちが消火栓から消火ホースを伸ばして、これまた消火する格好を取る。

「実際の時は、床や壁が燃えている程度の段階なら初期消火に挑んでいただきたいが、炎や煙が天井にまで広がった時にはもう一般の消火器や消火栓では太刀打ち出来ないので、自分の身の安全を最優先して避難してください」との注意もいただいた。なるほど。


避難訓練 防火扉
この段階で我々も避難開始。うちが火元なので、廊下や階段には防火シャッターが下りている。でも、もちろん手で押して開けられるようになっているから、焦らず逃げろとのこと。部署が8階なので、1階までは遠い遠い。当然エレベーターは使えないから、他の階の人たちと一緒にひたすら階段を下る。

後で話を聞いたら、うちのボスは、階段で下りるのが面倒くさいから、避難訓練が始まる5分前くらいにあらかじめエレベーターで1階に下りていたらしい。避難訓練の意味無いし(^^; 部下たちがAさん・Bさん・Cさんとして頑張っているというのに。


避難訓練 正面玄関前
建物を出て正面玄関に出たら、各階ごとに点呼。

出勤しているのにこの点呼で見つからないと、“焼死”扱いにされるんだとか。去年は30名の“焼死”を出してしまったので、今年は真剣に避難してくれるように事務から連絡が回っていた。今年はちゃんと全員避難したのかな?


これで、全体避難訓練は終了。この後は、任意の個別防災訓練。

避難訓練 消火器訓練
まずは、消火器訓練。中が消化剤ではなく水が入った訓練用の消火器で、火に見立てたカラーコーンに向かって放水していた。


今年はさらに、去年までは来ていなかった地震体験車が来ていた。インド人の学生が大きな地震というものを全く体験したことが無いというので、それは是非乗ってみろということになった。



昔の地震体験車って、コンロやら本棚・食器棚・机・椅子などが置かれて、家の中を再現したようになっていて、地震の中で机の下に隠れたりコンロの火を消したりするものだったと思うのだけど、今回来ていたのは何も無いコンテナが揺れるだけ。危ないからと床に座らせれて、壁の手すりやつり革につかまって耐えるだけ。う〜ん、前の方が実際の役に立ちそうだったけどなぁ。乗った人が机とか棚とかにぶつかって怪我したとかで、廃止されてしまったのかな?ちょっと寂しい。

今回は、大正時代の関東大震災の揺れを再現したというもの。大きな揺れがなんと105秒も続いたのだとか。それは、最初の揺れ始めで壊れずに耐えた家でも、最後の方には簡単に瓦解していそう。インド人の学生も、凄い揺れだと驚いていた。後で、この地震では死者が10万人を超えた、その大部分は地震そのものよりも後に発生した火災によるもの、などを教えてあげたら、さすがにその人数に驚愕していた。だから訓練って大事なんだよね。


インドでは、大きな地震は少ないというが、記憶に新しいのはスマトラ沖地震による津波被害。うちの研究所は埋立地の突端にあって、津波が着たら間違いなく周りは海の底。建物自体はかなり頑丈に耐震構造で造られているから、地震には耐えられるかもしれないけど、津波はどうかな?建物自体が津波に呑まれた場合、建物が崩壊しなくても辺りは水没して孤立してしまうはず。基本的にこの埋立地1本しか道が無いからね。

一応数日は生き残れる程度の食料や水などが倉庫に保管されているらしい。毎年、消費期限が近付いた非常食料を職員に無償配布して、新しく購入しているみたい。


現実に体験したいとは思わないことだけど、東海大地震が起きる確率というのは非常に高いと言われているし、心構えや訓練は大事だよな。



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posted by ∴∵ at 13:15| 東京 晴れ| Comment(2) | TrackBack(0) | ポスドク研究生活 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
今年はかなり本格的だったのですね。
Aさんのうずうずした様子が思い浮かびます(笑)

関東大震災の前の安政大地震があったころには近い年数でもう一度大地震が起こっていたとのことです(たしか)

いつ起こるかわからないからこそ心がけが大事と言うことで、形だけでなく本格的な訓練ができることはある意味うらやましいです。
Posted by 元・通りすがりの隣のPD at 2008年11月30日 02:49
> 元・通りすがりの隣のPD さま
研究室内、研究員から技術補佐員・パートさんに至るまで、みんなでわくわくそわそわしていました。
訓練なのですから浮ついていてはいけないんですけどねw
Posted by ∴∵ at 2008年12月01日 08:43
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